ジャンプ力を上げるトレーニング〜すべての球技で使えるジャンプ力UPの方法〜【東海大学教授 有賀誠司 指導・解説】
ジャンプ力を身につける王道的な方法とは?
バスケ、バレー、ハンドボール、サッカーなどなどジャンプを必要とするスポーツに取り組む選手や指導者なら「ジャンプが課題」「ジャンプ力が欲しい!」と思うこともあるでしょう。
といっても、単に高く跳ぶことが目的ではありませんから、どうしたらプレーに活きるジャンプ力がつくのか?…それが重要ですよね。
そのためには、次の3つがポイントになります。
基盤となる筋力の強化
ジャンプスキルの強化
プレーへの適用
ジャンプというのは人間の体に関わることですからゲームのように裏技やルールの抜け穴をついてなんとかなる世界ではないのです。
例外的にストレッチをすることで多少ジャンプ力がつくということはあります。
ですが、有賀先生はストレッチでジャンプ力を伸ばすような方法は推奨していません。
上記の3つを進める王道的な方法でジャンプ力をつけるのが最適と考えてください。
短期間でジャンプ力をつける方法とは?
では、短期間でジャンプ力をつける方法は存在しないのか…?
いえいえ、そんなことはありません。
すでに十分なトレーニングをした人がさらに伸ばすのならさすがに無理がありますが、ジャンプで悩んでいるような人なら10から15cm程度なら数ヶ月スパンの時間をかけなくても短期間でジャンプ力を伸ばせる可能性は高いです。
理由は簡単でジャンプのやり方に問題があることがほとんどだからです。
ジャンプのやり方が間違っていて自分が本来持っている筋力をうまく使えていないわけですから、正しいやり方に矯正すれば、ジャンプ力はすぐに上がるのは当然ですよね。
ただ、筋肉の使い方、股関節、膝関節、足関節の使い方、各関節を連動させる動き、顔の向き、腕の振り方、姿勢、重心のかけ方、などなど…ジャンプと一口に言っても実は細かい動作がたくさんあります。
それらをどう組み合わせてどう練習・トレーニングしたらいいのか分からないとジャンプ力はアップしません。
「なんだか難しそう……」と思うかもしれませんが、その点は安心してください。
いくらジャンプで悩んでいるといっても、ジャンプという動作そのものがまったくできない人はまずいないでしょう。アクロバットな体の使い方をするわけでもありません。
ポイントをしっかりと押さえてお手本を見れば、少しでもジャンプ動作ができる人なら誰でもジャンプ力を上げることは可能です。正しいやり方が分かれば難しいことはありません。
有賀先生は指導者としても優秀な方ですので、その点はご安心ください。
もっとジャンプ力がアップすれば…
「もっとジャンプ力があれば……」と悩むのはこれで終わりにしましょう。
もっとジャンプ力がアップすれば、こんなことも夢ではなくなるのではないでしょうか。
ダンクも決められるし、今よりもっとうまくなれる
もっとリバウンドが取れる
ブロックの高さが出せる
角度のあるスパイクが打てる
シュート力が上がって得点力が上がる
セーブ力が上がってチームを守れる
身長が低くても高さを出せるようになり、一目置かれる
高い身長をさらに活かせ、ライバルにどんどん差をつけられる
ポジション争いから頭一つ抜け出してレギュラーに
そして、想像してみてください。10から15cmといわず、もっと高さが出せるとしたら?
あと10cm高さが出れば追いつけると……思っているなら15cm、20cmとジャンプ力が伸びれば高さで逆転できます
自分より身長が10cm高い選手に高さで勝てるようになる
チームの高さが底上げできたら試合運びが変わります
真剣にジャンプ力を向上させたいのなら、ネットにあふれた雑多な情報ではなく、研究から導き出され、トップアスリートの指導実績もある体系的な知識・方法を知るのが最適でしょう。
ぜひ、ジャンプの悩みを克服してあなたの望むプレーを実現させ、チームにも監督にも一目置かれるような選手になってください。
あなた自身の成長にも喜びを感じられると思います。
指導者・有賀誠司プロフィール
有賀誠司
東海大学 健康学部 健康マネジメント学科 教授
東海大学では筋力トレーニングの方法や指導に関する研究と教育活動を行うとともに、国内最大規模の東海大学トレーニングセンターにて学内の体育会所属クラブ(約20団体、約1,000名)のアスリートに対するトレーニング指導や学生スタッフの育成に従事。
これまでに、柔道、スキージャンプ、バレーボールなどの日本代表チーム及び選手のトレーニング指導を歴任。バスケットボールの実業団チームの指導実績もある。柔道の世界選手権を3連覇した井上康生氏のトレーナーとしてフジテレビのTV番組、アナザー・ストリーにも出演している。
その他、中高年世代を対象とした健康体力増進のためのトレーニングのアドバイスも多く手掛ける。
高校・大学時代は陸上競技のやり投げ競技、大学院時代はやり投げとともにパワーリフティング競技の選手として活動。その後ボディビル競技に転向。日本社会人選手権や関東選手権のタイトルを獲得するとともに、1991年と1993年にボディビルのアジア選手権準優勝を収めている。
国立スポーツ科学センター客員研究員、日本トレーニング指導者協会副理事長なども務める。